【開催報告】第1回タウンハウス交流会

開催日時:2015年10月4日(日) 13:30~16:30
会  場:西神16団地管理組合集会所
後  援:神戸市すまいとまちの安心支援センター

戸建てでも一般的なマンションでもないタウンハウスやテラスハウスは、分譲から年月を経て、維持管理上、固有の課題を抱えていることも少なくありません。そこでタウンハウスやテラスハウスの管理組合同士の情報交換を目的として企画したのが、この交流会です。参加者の皆さんの自己紹介に続いて、まず集合住宅維持管理機構の主任専門委員中島幸博(一級建築士)がタウンハウスの概要と一般的な問題点、そして長期修繕計画の考え方について報告しました。続いて、2008年に「第4回住まいのまちなみコンクール」で国土交通大臣賞を受賞した西竹の里タウンハウスの修繕委員岩倉紘一さんとサポート役の兵庫県立大学環境人間学部准教授安枝英俊先生から、住環境維持のための管理組合の取組みについてご紹介いただきました。会場となった西神16団地の見学をはさみ、意見交換をおこなった後、バスで名谷16団地に移動し、現地の見学をおこないました。
初めての交流会ではありましたが、それぞれのタウンハウスでの事例紹介や2ケ所の団地の見学を通じて、居住者全体への意識付けや規約の整備、長期修繕計画の策定など、タウンハウスの維持管理を考える上での今後の課題と解決のためのヒントが見えてきたような気がしました。

【開催報告】第88回「マンションのグレードアップを実現する!改善・改造の基礎講座」

開催日時:2015年9月26日(土)13:30~15:30
会  場:集合住宅維持管理機構 セミナールーム
後  援:大阪市、神戸市、公益財団法人マンション管理センター、一般社団法人日本マンション学会

DSCN0569 入居後、年月を経て、マンションを取り巻く環境や居住者の価値観に変化が生じることや、設計時点や施工時点には予測もできなかった事象や問題が建物に起こることは、何も特別なことではなく、それらが居住者の改善の要求につながっていきます。第88回目のマンション管理実践講座「マンションのグレードアップを実現する! 改善・改造の基礎講座」では、主任専門委員の北村順一(主任専門委員)が、居住者のニーズに基づく建物の改善・改造について、様々な部位に及ぶ具体事例と管理組合の取組みのプロセスを紹介しました。改善・改造を実現することで、建物が物理的にグレードアップするだけでなく、マンション管理に対する居住者の意識が高まり、自分たちのマンションに誇りが持てるようになるというメリットも期待できます。講師は参加者に向けて、普段から自分たちのマンションをよく観察し、居住者の意見を聞く場を設け、改善箇所を長期修繕計画に盛り込み、大規模改修工事の時期にあわせて工事を実施できるよう、様々な困難があってもあきらめずに取組むようにとアドバイスしました。

【開催報告】第11回 マンション管理交流セミナー in 西宮

開催日時:2015年9月5日(土) 13:30~16:00
会  場:西宮市プレラホール 練習室
テ ー マ:2時間でわかる! 「マンションの修繕計画から工事の実施まで」
後援:西宮市、公益財団法人 マンション管理センター

第1部では、機構主任専門委員の後藤昌久(一級建築士)が、まず長期修繕計画について国土交通省の長期修繕計画ガイドラインなどの資料を使い詳しく解説をしました。分譲マンションの長期修繕計画は長期的かつ計画的に保全や修繕を行うために運用されるもので、修繕積立金の設定金額の根拠にもなり、またきちんと長期修繕計画があることは、管理組合が計画的で健全に運営されていることの証明にもなります。続いて一般的な改修工事の流れを調査診断から工事竣工まで順を追って説明しました。
第2部は、2つのグループに分かれ、技術者を交えた相談や意見交換が行われました。「役員のなり手不足問題」、「修繕積立金の値上げについて」、「スムーズな合意形成をするためには」など話題は尽きませんでした。開催後のアンケートでは「修繕計画のフローが整理できた」、「近く大規模修繕を実施する為に参考になった」と好評でした。

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【開催報告】第87回「大規模改修工事の基礎講座」

開催日時:2015年8月22日(土)13:30~15:30
会  場:集合住宅維持管理機構 セミナールーム
後  援:大阪市、神戸市、公益財団法人マンション管理センター、一般社団法人日本マンション学会

DSCN0131 第87回のマンション管理実践講座は、寿主任専門委員(一級建築士)が「大規模改修工事の基礎講座」をテーマに講義をおこないました。まず最初に、調査による建物の現状把握をすることが重要であるとし、調査診断の詳しい説明がありました。次いで設計では、調査診断結果に基づいて、管理組合とコンサルタント間で十分協議検討が行われ、その結果を反映した修繕設計が重要であると説きました。また、施工者選定の進め方から施工者内定、総会承認手続き、工事請負契約、工事説明会など着工までの各項目を説明し、引き続き着工から工事竣工、引渡しまでの工事の流れと重要なポイントついての詳しい説明がありました。最後に、専門家による設計監理の重要性と、管理組合の良きパートナーとなる信頼できるコンサルタントを選ぶことがポイントであると説明しました。
 講義後の質疑応答では、「調査診断を実施したところ、全ての項目で修繕が必要とされたが本当なのだろうか。」という質問がありましたが、それに対して、修繕の緊急度についてランク付けを行い、優先順位をつけて修繕を行う必要があるか判断する方法もあると回答しました。また、「大規模改修工事以外のエレベーターの更新工事、消防設備改修や給排水設備改修などについてどうすればよいか。」、「アルミ手摺や窓面格子などアルミ製部材の錆び発生への対処はどうしたらよいか。」の質問がありました。

【開催報告】第109回大規模改修工事実践講座(工事見学会)

開催日時:2015年8月1日 13:30~16:00 (受付開始13:00)
会  場:ローレルハイツ神戸1号棟
所 在 地:神戸市兵庫区
建物概要:竣工1999年 307戸 24階建 1棟
共  催:神戸市すまいとまちの安心支援センター

109回目の工事見学会は、JR兵庫駅近くの超高層マンションを会場に開催しました。
まず大規模改修工事の設計監理を担当した主任専門委員の中島幸博(一級建築士)が、現地調査当時の建物の状況を実際の写真をもとに説明し、その結果を踏まえた設計内容について解説しました。具体的には、屋上防水については不具合のある箇所だけを修繕して保護塗装を施し全面改修は行わなかったが、汚れの目立つシール部分は、汚れの発生を防ぐために既存のものとは材料を変えてすべて取替えたこと、外壁の直接雨が掛かる箇所とそうでない箇所によって材料を変え、将来的に同じ周期で修繕できるようにしたこと、また、今回の工事のために建物に加えた変更を、次の大規模改修工事にも仮設として利用できるように保存したことなどが、調査結果と建物の特徴そして管理組合の意向を反映させた点として挙げられました。また、設計意図を確実に伝達し、施工精度の均質化を図るため、仕様書の内容は施工前に現場代理人、職長と共に確認し、塗装やシーリング撤去のテスト施工をおこなう様子も紹介しました。
続いて管理組合理事長の山下さんは大学の恩師から、今回の大規模改修工事の取組みを今後の管理組合の活動に生かすという視点をもつよう助言があったことを明かされました。1回目の大規模改修工事を主体的に取組むと2回目以降もきっと主体的になるし、大規模改修工事に関することだけでなく、その他プラスαの活動に転じることもできるというアドバイスを受け、自分たちのマンションを将来どうしていきたいかについて委員会で真剣に議論を重ねたそうです。コンサルタントの選定にあたっても、自分たちの思いを設計に落とし込んで、施工に結びつけることができるかどうかを重要視し、値段は高かったけれども、ヒアリングの際に、日常的に共用部分に目配りしていた修繕委員からの実質的な質問に対して最も的確かつ誠実に回答した集合住宅維持管理機構に決めたと話されました。コンサルタント費用が高くても、きちんとしたコンサルタント(設計監理)であれば、無駄な工事を省くことができて十分元が取れるという判断があったそうです。

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