【開催報告】第107回大規模改修工事実践講座(工事見学会)

開催日時:2015年5月16日(土) 13:30~16:00
会  場:朝日プラザ千船
所 在 地:大阪市西淀川区
建物概要:竣工1988年 103戸 9階建 1棟

 朝日プラザ千船管理組合にご協力いただき、マンション近くの大和田福祉会館をお借りして、第107回大規模改修工事実践講座を開催しました。
 まず、当マンションの大規模改修工事の設計監理を統括している後藤主任専門委員(一級建築士)から、朝日プラザ千船における大規模改修工事の概要と具体的な修繕項目、そして管理組合を主体とした取り組みの流れについて説明しました。実際のビデオ映像で工事中の作業工程の説明をおこないました。
 後半は、管理組合理事長と修繕委員長のお二人から報告をしていただきました。朝日プラザ千船の大規模改修工事に向けた取り組みは、5年前に定期総会で大規模改修工事を実施することを、大凡のスケジュールを添えて報告したことに始まります。設計と施工を分離した方が、設計施工方式よりも客観的なチェック機能が働き、きっちりした工事を担保できると考えてコンサルタントを導入することを決めたこと、そして、コンサルタントがきっちりと役目を果たすならば、最終的に確かな施工者を選択できると判断したことなど、管理組合としての考えを述べられました。早くから準備したことが功を奏し、特段苦労したことはなかったそうですが、敢えて言うと予算の効率化とそのための取捨選択に若干腐心したと振り返られました。
 質疑応答では、工事中の居住者からの意見や要望について質問が出ました。ベランダをいつまでに片付ければいいのか?植木鉢はどうしたらいいのか?洗濯物はいつ干せるのか?など、ベランダにまつわるものが多かったそうで、特に洗濯物情報が大切だとのことでした。理事長からは、取組み全体を通して役員がどれだけちゃんと緊張感をもってやっているかを伝えたら、他の居住者にも「文句を言ってる場合じゃない。」とわかってもらえるはずだとアドバイスがありました。この他、工事前の子供向け説明会のことや、仮設工事のこと、工事中の管理会社の役割や積立金改定の合意形成についてなど、さまざまな質問が時間いっぱいまで出ましたが、管理組合役員のお二人が丁寧に経験をお話しくださいました。
 この後、現地に移動してエレベーターホール、廊下から屋外階段と工事中である足場が掛かった現状と説明のあった外壁塗材の工程毎試験施工面、ほぼ工事が完了している住戸玄関まわりの仕上がりなど、大規模改修工事の実際について理解を深めました。
 アンケートでは「役立つ情報がたくさん得られた。」、「専門家の話だけでなく、管理組合役員の方の説明、経験が聞けた点がよかった。」などの好評をいただきました。

IMG_0051 IMG_0369

【開催報告】第83回「管理組合の建物メンテナンス基礎講座(調査~大規模改修工事~長期修繕計画)」

開催日時:2015年4月25日(土)13:30~15:30
会  場:集合住宅維持管理機構 セミナールーム
後  援:大阪市、神戸市、公益財団法人マンション管理センター、一般社団法人日本マンション学会

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

第83回は「管理組合の建物メンテナンス基礎講座(調査~大規模改修工事~長期修繕計画)」をテーマに宮﨑雅司主任専門委員(一級建築士)が講師をつとめました。マンションの基礎的な内容(共用部分と専有部分、管理組合、管理規約)から説明が始まり、次に調査診断の目的と進め方、劣化度の判断、調査結果を大規模修繕にどう反映させるかについて述べ、次いで長期修繕計画と調査診断や大規模修繕はどのように関連しているかを説明しました。その中で、既存資料の整理や保管、保守点検、法定点検、定期報告の実施と修繕履歴の整理など、建物メンテナンスが重要で何よりも管理組合が主体性を持つことが肝心と述べました。
講義後の質疑応答も給排水改修、耐震診断・耐震改修、長期修繕計画などが活発に行われ、参加者からも講義内容がわかりやすく他のマンションの事例も聞けて参考になったとの意見が多く寄せられました。

【開催報告】第9回 マンション管理交流セミナー in 三宮

開催日時:2015年4月18日(土) 13:30~16:00
会  場:神戸市すまいるネットセミナールーム
テ ー マ:基礎から学ぶ! マンション大規模修繕工事の取り組み
協賛:神戸市すまいとまちの安心支援センター

IMG_00099回目となるマンション管理交流セミナーは、神戸市すまいとまちの安心支援センターの協賛を得て、三宮駅近くのすまいるネットセミナールームで開催しました。
多くの人が集まって暮らす分譲マンションの大規模修繕工事の計画の過程で、管理組合が様々な疑問点や問題点にぶつかることは少なくありません。前半のセミナーでは、管理組合が主体性をもってそれらを一つひとつ乗り越え、計画をスムーズに進めるためのヒントを、機構主任専門委員の中島幸博(一級建築士)が楽しく解説しました。後半の交流会では、工事の実施時期の考え方や、管理組合と管理会社の関係などを中心にさまざまな意見が出ました。技術者からは「調査診断の結果をどう使うかが重要。例え保証期間が過ぎていても長くもたせることもできる。管理組合と管理会社が互いに責任を押し付け合うことなく、管理組合が見識をもって主体的に維持管理をすすめることが大切。」とアドバイスがありました。参加者からは、自分たちのマンションが適正に管理できているかどうかわからないので、このような管理組合の情報交換の場を活用したいという感想が上がりました。

【開催報告】第82回「管理組合運営の基礎講座 ①役員のなり手不足を解消する!」

開催日時:2015年3月28日(土)13:30~15:30
会  場:集合住宅維持管理機構 セミナールーム
後  援:大阪市、神戸市、公益財団法人マンション管理センター、一般社団法人日本マンション学会

DSCN0269 2015年度のマンション管理実践講座が 3月 28日の管理組合運営の基礎講座「役員のなり手不足を解消する」からスタートしました。この日の講座は関住協が担当。淺雛克巳世話人会代表が問題提起として、なり手不足の主な要因をあげつつ、「本来管理組合とは区分所有者(賃貸居住者も含め)全員で建物などの財産を維持管理し、良好なコミュニティーを作り、運営する自治組織」だと、改めて強調しました。また、髙橋勇同副代表、奥田籾夫世話人が規約を改正し、なり手不足を解消している事例を報告しました。31人の参加者からは「輪番制で選んでいるが理事会や総会に出ない人がいる」「順番制にしたいが臨時総会でどうしたらいいのか」など質問や悩みの訴えが相次ぎました。

【開催報告】第8回マンション管理交流セミナー in 奈良

開催日時:2015年3月21日(土) 9:30~12:00
会  場:奈良市北部会館市民文化ホール 会議室3
テ ー マ:修繕積立金を無駄にしない マンション大規模改修工事のポイント
後  援:奈良県

 うららかな春の陽気に包まれた3月21日の春分の日に初めて奈良市で行われた第8回マンション交流セミナーは奈良市北部会館市民文化ホールで開催しました。
 第一部では特定非営利活動法人集合住宅維持管理機構主任専門委員で一級建築士の乾井哲が「修繕積立金を無駄にしない。マンション大規模改修工事のポイント」というテーマでマンション大規模改修工事の実施に際して、徴収した修繕積立金を無駄にしないためのポイントを詳しく解説しました。長期修繕計画の考え方と修繕積立金の設定方法や工事内容と予算を検討する時の注意事項を説明しました。それから大規模改修工事を円滑に進めるための専門委員会の必要性、居住者への広報の重要性や、調査診断から、設計、施工者選定、工事着工前準備、工事中におけるポイントを手順に沿ってわかりやすく説明しました。
 第二部の相談会&情報交換会では、参加されているマンション管理組合の皆様から間もなく実施する大規模改修工事について、今までの経緯や現状をふまえ、様々な懸念事項を述べられ、専門家のアドバイスや意見交換・情報交換が行われました。

【開催報告】第106回大規模改修工事実践講座(工事見学会)

開催日時:2015年1月31日(土)13:30~
会  場:国土コーポ諏訪森
所 在 地:堺市西区
建物概要:竣工1974年 72戸 5階建 4棟

 国土コーポ諏訪森の大規模改修工事で設計監理を担当した主任専門委員の北村順一(建築工事担当)と専門委員の浅田明弘(設備工事担当)が、今回の大規模改修工事のすすめ方や実施した工事内容について説明しました。
 はじめに、今年で築43年になる国土コーポ諏訪森のこれまでの修繕履歴が紹介されました。当管理組合では分譲時に管理人室が分譲主の所有になっていたことや、分譲主から必要な書類(竣工図、建築確認通知書、構造計算書など)が引き渡されていなかったこともあって、入居後すぐに順調な維持管理がスタートしたわけではありませんでした。建物の漏水や設備の維持管理の問題にも長年悩まされましたが、管理組合の努力の末、竣工後20年ほどを経てようやく建物の維持管理を軌道に乗せ、建物に適切な修繕を施すことができるようになりました。
 今回は、躯体修繕や外壁塗替、屋上やバルコニーの防水などの一般的な大規模改修工事の項目に加え、バルコニーの手すりや隣戸との隔壁を取替える工事を実施しています。熱による収縮と膨張を繰り返すバルコニーの鉄製手摺りの支柱埋め込み部分には亀裂が生じやすく、そこから雨水が入り込むと躯体に悪影響を与えてしまいます。安全対策を十分に講じた上で、全戸アルミ製のものに取替えました。また、腐食による漏水を起こしていた洗面浴室系統の雑排水管について、各戸の洗面所の洗面台や壁床を撤去しながら配管の取替えをおこないました。工事にあたっては同一縦系統のすべての住戸で同時に4日間在宅することが前提でしたが、早めの広報と調整の甲斐あって大きなトラブルもなく実現しました。もしも設備の単独工事なら、調整だけで2ヶ月以上はかかるところ、大規模改修工事とあわせて実施したことでスムーズに進めることができました。工事の範囲は専有部分に及びますが、居住者全員が漏水の不安なく暮らすために必要な配管取替え工事と、それに伴う専有部分の工事であるとの管理組合の判断から、洗面所のリフォームの有無に関わらず撤去、復旧にかかる費用はすべて修繕積立金から取り崩すことが合意されていました。また、そうすることで在宅についての協力が得られやすかったとも言えます。

image150212-1 image150212-2