開催日時:2015年10月24日(土) 13:30~15:30
会 場:‘すまいるネット’セミナールーム(神戸市中央区雲井通5-3-1 サンパル5階)
協 賛:神戸市すまいとまちの安心支援センター‘すまいるネット’
後 援:大阪市、神戸市、公益財団法人マンション管理センター、一般社団法人日本マンション学会
第89回マンション管理実践講座「長期修繕計画の基礎講座」は、神戸市すまいとまちの安心支援センターの協賛を得て、“すまいるネット”のセミナールームで開催しました。 前半は、関西分譲共同住宅管理組合協議会(関住協)世話人会副代表の髙橋勇が、関住協の活動や自身の管理組合理事長の経験をもとに、管理組合による大規模修繕工事の準備と進め方について話しました。後半は、機構で作成した長期修繕計画書のサンプルと、国土交通省による長期修繕計画標準様式を回覧しながら、機構主任専門委員の山口英高(一級建築士)が長期修繕計画をテーマに話を進めました。長期修繕計画を作成するには、専門家による建物の調査診断が欠かせません。そのステップを飛ばして計画を作ると、実態にそぐわないものになってしまいます。アンケートなどで区分所有者の要望も取り入れながら、区分所有者が主体的に作成あるいは見直しし、自分たちで修繕履歴と共に保管し、自分たちで運用していくことが望まれます。また、必ず長期修繕計画通りに修繕しなければならないのかというと、そうではありません。長期修繕計画は、あくまでも積立金を上手に運用するための計画ですから、建物の状態によって修繕時期や仕様は変更するべきですし、計画自体も5~6年おきに見直さなければなりません。



入居後、年月を経て、マンションを取り巻く環境や居住者の価値観に変化が生じることや、設計時点や施工時点には予測もできなかった事象や問題が建物に起こることは、何も特別なことではなく、それらが居住者の改善の要求につながっていきます。第88回目のマンション管理実践講座「マンションのグレードアップを実現する! 改善・改造の基礎講座」では、主任専門委員の北村順一(主任専門委員)が、居住者のニーズに基づく建物の改善・改造について、様々な部位に及ぶ具体事例と管理組合の取組みのプロセスを紹介しました。改善・改造を実現することで、建物が物理的にグレードアップするだけでなく、マンション管理に対する居住者の意識が高まり、自分たちのマンションに誇りが持てるようになるというメリットも期待できます。講師は参加者に向けて、普段から自分たちのマンションをよく観察し、居住者の意見を聞く場を設け、改善箇所を長期修繕計画に盛り込み、大規模改修工事の時期にあわせて工事を実施できるよう、様々な困難があってもあきらめずに取組むようにとアドバイスしました。